確かに米国はロシアとの間にクリミア併合以来の厳しい対立があり、中国との間には海上の支配権をめぐっての争いがある。しかしイスラム過激派によるサンクトペテルブルグの寺院の爆破計画が米国の通報により未然に防がれたことは、来年の大統領選挙で再選を狙うプーチン氏にとっては、本心からの感謝に値する。トランプ政権がプーチンのロシアに本当に敵対的であればわざわざテロ情報をロシアに知らせるはずがないからである。他方、中国にとっては米国は海上発展上の手強いライバルであるが、経済的には多大の利益をもたらす相手国でもある。
プーチン氏や習近平氏のようにえげつない手段を使ってでも権力をつかんだ指導者は、オバマ氏の人道主義よりもトランプ氏の本音の「取引」の方が共感しやすい。いわゆる「ケミストリーが合う」と思う。
それにしても米国にとっては北朝鮮の核やミサイルの脅威の除去こそが最大の目標であり、その点で9月と今月の二回の安保理の北朝鮮制裁決議案への中ロ両国の賛成は大きい。もっとも経済制裁の有効性には疑問視する向きもあり、中ロ両国の今後の対応次第の面もあるが、両国とも北朝鮮のために対米関係を悪化させたくないはず ( 経済面だけでも ) 。個人的願望も混じるが、私は中ロ両国とくに中国が本気で北朝鮮制裁に協力すると思う。
P.S. すでに投函した来年の年賀状は写真版の表面にボールペンで題名の記入が困難なため、墨の?ベンを使いましたが、こすると簡単に汚れます。最初から汚れたのは一枚も出していないことをブログ読者だけでも知って欲しい!