しかし、大臣答弁にせよ事務方の資料の扱いにせよ、そもそも南スーダンPKOの危険性を政府が無理やり否定するから混迷が生じていることは明らかである。誰が見ても南スーダンの情勢は危険をはらんでいる。PKO五原則を改正してから自衛隊を派遣するのが順序というものだろう。衆参両院で与党が多数を占めている現在、派遣原則の改正は不可能ではないはず。
派遣原則の改正前であれ後であれ、南スーダンへのPKO派遣は危険に満ちている。そもそも南スーダンの独立を国際社会は承認すべきではなかったとわたしは思うが( 国家運営の能力が本当にあるのだろうか ?) 、今さらそれを問題にしても事態がどうなるものではない。ともかく、中国、インド、イギリス、韓国など13カ国が部隊を派遣しているのである ( フランスは自国の旧植民地に派遣 )。
昨日の毎日新聞のコラム「風知草」の執筆者の山田孝男氏が元カンボジア国連特別代表を務めた明石康氏の発言を紹介している。「PKOに完全な答えはないが、人類が現段階で持ちうる最善の平和への道だと思う。東京の議論はあまりに後ろ向き。( 日本人は ) 以前より精神的に貧しくなっているんではないでしょうか」。明石氏が南スーダンPKOの危険を知らないはずはない。それでも日本だけが傍観すべきかと問うているのである。
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