主犯格の森恒夫 ( 公判中留置所で自殺 )と永田洋子 ( 死刑囚として収監中病死 )以外の坂口弘らまだ死刑執行されていないメンバーは別とし、今回証言した数人 ( その中には27年間を獄中で過ごした植垣康博も ) の誰もいわゆる悪人タイプでない事は予想どうりだった。それまでの反安保闘争やベトナム反戦運動の中から武装革命闘争への道に進んだのは彼らの主観では正義の闘争であったろう。しかし、仲間の処刑に耐えきれず途中でアジトから逃亡した一人を除くと証言者たちは今でも真の反省には至らず、結果に戸惑っているように感じられた。
革命運動の同志のリンチ処刑は19世紀ロシアの「ネチャーエフ事件」が有名だが、当局のスパイと誤認してといった事情もあったようだ。しかし、連合赤軍事件の場合スパイと疑われたのではなく、革命戦士としての資格なしとされ殺されたという点で特異であり、世間を唖然とさせた。
事件への「識者」のコメントの紹介はあまり無かったが、特異な右翼人として知られる一水会代表の鈴木邦男氏 ( この人って本当に右翼?) の「愛と正義が一番おそろしい」とのコメントが一番的確だと感じた。愛も正義も本来は素晴らしいが、その実現を目指す人の中には自説を固執し寛容が感じられない人が少なくない。鈴木氏は ( 祖国 ) 愛や正義に身を捧げる決意をした右翼青年の中にそうしたタイプをよく見るのだろう。
番組でも文献でも現在は「山岳ベース」と呼ばれているらしいが、当時は「山岳アジト」と呼ばれていたと記憶する。アジトでは現在の人には通じないからか? 45年の歳月は用語にも越えられない壁を作ったようだ。
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