2017年11月26日日曜日

改元は宮内省の専権事項ではない

平城天皇の退位にともない政府は改元の期日と態様を早急に決定せねばならない。最近まで、年初の1月1日か年度がわりの4月1日が有力と伝えられていたが、このところ意外にも5月1日が有力視されているという。納得できない。

1月1日は年末年始の儀式や宮中祭祀が立てこむとの理由で宮内庁が反対し、4月1日は予算案審議や統一地方選挙と重なるので避けたいとの政府の意向だという。しかし世論調査でも1月1日支持が圧倒的だった。いつまでも旧来の宮中祭祀を墨守することなく簡素化すれば良い。だいたい、昭和から平成への移行に際しても宮中祭祀など国民にろくに説明もされなかったと記憶する。国民の利便と納得を優先すべきである。

それ以上に問題なのは退位後の両陛下の待遇である。読売新聞 ( 11月25日 ) によれば、宮内庁は財政当局などに「30年間天皇を務められた方にふさわしい予算と体制」を要望しているという。そして「政府内では『尊重せざるをえない』との声が強い」とある。具体的には「天皇、皇后両陛下を支える79人 ( 今年4月現在 ) の『侍従職』をほぼ『上皇職』に移す方向となっている」という。

そんな理屈の通らない話があろうか。高齢で仕事が重荷になったから退位する人 ( それは理解できる ) に何で在位中の人員を配置する必要があるのか。宮内庁が自分の権能を維持 ( 実質的には拡大 ) したいだけではないのか。私はそれは両陛下のご意向に反すると固く信じる。

君主制廃止論者でない私でも到底納得しかねる。他紙はなぜ問題として報道しないのか。それとも『読売』の記事は誤報なのだろうか。



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