今回意外だったのは前二回は人の気配があまりなかった ( 休館のためだけか?)が、今年は広い駐車場に何台も車がおり、若い人たちの訪問者が多かったこと。入場して分かったのは、近年テレビや映画のロケ地として、またクラシック音楽やロックバンドのコンサート会場として ( 能楽や生花も!) 頻繁に使用されたとのことで、今流行の「聖地巡礼」の地になっているらしいことである ( 内部に写真が展示 ) 。
大谷石と言っても関東地方以外の人には旧帝国ホテル の正面 ( 現在は犬山の明治村に移築 ) ぐらいしか思い浮かばないかもしれないが、関東では主に塀として、一部には蔵や住宅の材料として利用され、見慣れたものだった。その採石場跡は新建材が多用される現在は一種の産業遺跡となっている。垂直の壁に囲まれた幾つもの巨大な空間は原色の投光器で照らされた異色の空間である。内部は階段の連続なので足の弱った老人向きではないのが残念と言えば言える。
戸外は「山笑う」という季語そのままの出始めた新緑と山桜が、暗い空間から出たという理由も加わり立ち去り難いほど美しかった。私が年間で一番好きな時期で、そのあまりに短いのを惜しむばかりである。
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