2017年10月22日日曜日

教育無償化は正しいか

総選挙の結果はあと半日で大勢が判明する。昨日、今回の選挙での各党の主張が項目ごとの一覧表として新聞に載っていた。いまさら丁寧に読む気にもならなかったが、教育の項目だけは元教員として無関心というわけにもいかず目を通した。結果は各党間に大きな違いはなく、財源無視の恩恵のオンパレードだった。それでも効果が明らかなら財源だけを絶対の基準とも出来ない。

先ず、保育園や幼稚園を利用する幼児をかかえる家庭への援助だが、原理として反対する人は少ないだろう。少子化の趨勢へのブレーキともなりうる。しかし現在でも低所得者家庭への負担軽減策はあるようだし、親たちの第一の願いは希望者全員の受け入れではないか? 立地に困難はあっても財源をそちらを優先すべきだろう。

私立高校生の学費無償化も財源問題だけではない疑問がある。少なくとも東京圏では公立中学よりも有名私立の中学・高校への進学希望が近年圧倒的と言って良い ( 今なら公立校出身の私でもそう考える ) 。高校だけでも学費を無償化すれば6年間の親の負担は半減するので、私立中学志望に拍車をかけるだろう。結局は貧富による教育の差別化を促進する結果になろう。それでは改善というよりも改悪だろう。

大学生への奨学金の増額や給付金化は望ましい。社会人へのスタートにあたって借金返済のハンディを負って欲しくはない。しかし、高等教育 ( 大学や高専 ) を受けた人と受けない人の生涯賃金は数千万円の差がある。すべての奨学生への返金免除が正しいとも言い切れない。利子をゼロにすればゆっくり生涯かけて返却出来るはずである。あくまで利子ゼロでなければならないが。ヨーロッパでは教育費完全無償の国がいくつかあるらしい。しかし、高福祉高負担の国と我が国を比較するのが妥当だろうか?

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