2017年10月24日火曜日

政治記者の勝ち?

「疑惑隠し解散」「自己保身解散」などと正当にもアダ名された今回の衆院解散の結果は自民党の大勝に終わった。本ブログ ( 9月27日 ) で、政治部記者たちは解散が与党を利する、社会部記者たちは逆に野党を利すると予想しているとの佐藤優氏のコラム評 ( 『東京』9月22日 )を紹介したが、みごとに政治部記者たちに凱歌が挙がった。

与党勝利の理由は何より野党の分立、一本化の不成立にあるとのメディアの主張は正しい。しかし、今回と前回  ( 2014年 )の総選挙時の小選挙区での自民党の得票率はどちらも48% (『東京』10月24日 ) 、比例区での今回は前回に90万票の上乗せ ( 『産経』同 ) となると、その説明では不十分である。首相を利したのは北朝鮮の脅威か、アベノミクスの効果か、理由はどうであれ一部のメディアの主張ほどには安倍1強政治は警戒されていないということではないか?

保身のため「希望の党」に走った人たちと比べ、枝野幸男氏と彼に従った立憲民主党候補者たちがこれまでの主張を曲げなかったことは立派であり、好感が持てる。しかし、無所属を選んだ人たちを加えても野党勢力は小勢力にとどまる。戦後間も無く社会党の片山内閣の失態により次の総選挙で共産党が大躍進したことがあった。同党が大喜びしたことは無理もないが、躍進と言っても極少数派であることに変わりはなく、逆にその後の長い自民党長期政権の始まりとなってしまった。

ピュアであることは美徳ではあるが、政治とはそれが常に有効であるとは限らない世界であるということだろう。残念なことであるが..........。

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