2017年4月20日木曜日

辺真一氏の近著

韓国では看板や地名表示などにハングル文字以外はほとんど使われないので、外国人には最も不親切な国だと聞いたことがある。ガイド付きの四泊五日の旅行ではあまり実感はなかったが.......。

私は韓国の知人にソウルは漢字ではどの字になるのかと聞いて、該当する漢字はないとの答えにびっくりしたことがある。「日帝支配36年」時代の京城は論外かもしれないが、ソウルはかつて漢城、漢陽など立派な?漢字名を持っていたのに。看板同様、外国人に不便かどうかなど韓国人にはどうでも良いことだろうが、一事が万事ということもある。私には独善のように映る。

日韓問題というと毎日のようにテレビで発言している辺真一氏の最近著『在日の涙』( 飛鳥新社 4月17日刊 ) を読んだ。氏の著作を読んでいない私にはテレビでの氏の発言を聞いても日韓関係や北朝鮮に対する氏の立場がいま一つ分からなかったので読んでみたのである。

「私がはじめて公刊する『祖国・韓国への諫言』である」と氏が宣言する本書を読んでその厳しい韓国批判に正直驚いた ( 「韓国人の認識不足には度し難いものがある」)。その理由の一半は書名が示すように氏が徹底して在日コリアンの立場で書いていることにあるのだろう。韓国語が流暢でない在日が韓国で「半日本人」と蔑まれることは知られているが ( 本国人より下手なのは当たり前ではないか!)、日韓基本条約で日本が韓国に支払った8億ドルの経済協力金以上の金額を本国につぎ込んだという在日の一人として、また、かつてロッテの韓国進出を懇願したのに今は罪人扱いする本国に堪忍袋の緒が切れたのだろう ( 「誰のおかげで韓国はここまで大きくなったのか」)。平均的日本人の韓国観よりも厳しいと私が感じたのは正確ではなく、氏の韓国批判に我々が知らない事実も少なくない ( ともかくも反日武力闘争をした金日成に対する韓国人のコンプレックス。漢字廃止で北に先を越された南、などなど )ことが理由なのだろう。

「帰国運動」で家族を北に送った在日コリアンが日本人より早く北への幻想を脱したとする辺真一氏はそれでも北朝鮮との連携を日本に勧める。それは日本海への出口を持たない中国が北朝鮮 ( 各種の豊富な鉱物資源を持つ ) への領土的野心を持つとの辺氏の確信もあるが、それによって韓国や中国の反日感情が気勢を削がれるとの理由からでもある。意外な提言だが、果たしてそうなるか.........。

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