2017年5月8日月曜日

薬師池公園今昔

多摩市の隣の町田市に薬師池公園という中規模の池を中心にした公園がある。今の時期は藤棚の花とツツジが見られるぐらいで人出はそれほどではないが、花菖蒲の時期は訪れる人は町田市民ばかりでなく、相当の人出となる。小さな谷 (  この辺で谷戸と呼ばれる ) の昔の田圃を利用して菖蒲田にしたのだろう。一枚一枚の田の高さの差を利用してきれいな水が田をうるおしており、立体的な地形のためなかなかの美景である。

いつもは花に気を取られて目に止めなかった案内板によると、戦国時代の北条氏照のころ稲田の灌漑のため作られた池は、宝永と文化の二回の富士山の噴火で火山灰に埋れたが、農民たちが苦心のすえ灰を除去したという。私が注目したのは田圃の面積が7ヘクタール ( 7町歩 ) という点だった。7ヘクタールといえば現在の企業的農家の耕地面積としても最低規模ではなかろうか。

たった7ヘクタールの田圃を守るため火山灰と苦闘した農民たち。その貧しさもさる事ながら、その勤勉さを思うと頭が下がる。我々の中にそのDNAはあるのだろうか。

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