今朝のテレビ欄に「ギャバン」という題の番組(テレ朝)があった。昭和一桁生まれの私などには戦前のフランス映画俳優を代表するジャン・ギャバンはスクリーン上の英雄だった(ある時期、フランス映画の人気は自称インテリアの間ではアメリカ映画より高かった)。まさかとは思ったが念のためチャンネルを変えたが、やはり、怪獣物のようだった。
日本でのギャバンの人気を最高に高めたのは『望郷』と『大いなる幻影』(ともに1937年)。 パリのいかがわしい世界の顔役だった彼は司法に追及され、当時は仏領だったアルジェリアの首都アルジェの暗黒街の顔役になる。しかし、パリが恋しくて仕方がないのに帰国はかなわず、他人の帰国を見送るばかり。最後はたしか銃弾を浴びて死んだ。 戦前にパリに憧れた日本の自称インテリたちの心を一作で鷲づかみにした。同年の『大いなる幻影』は第一次大戦でのフランス人捕虜の物語で戦前フランス映画の頂点ともみられる作品。 翌年の『霧の波止場』は再びギャングもの。そうしたギャバンの姿は一転、戦後『現ナマに手を出すな』の白髪姿の彼は見たくは無かった。今朝の本欄は思いもかけないむかし話になってしまった。しかし、当時は懐かしい.............。