戦前日本の軍隊は「皇軍」と呼ばれることも多かった。 むろん天皇の軍隊の短縮形であり、そう呼ばれたり名乗ったりすることであらゆる批判を封殺することができた。現在のイランの「イスラム革命防衛隊」の報道に接する限り、私はあらゆる批判を許さなかった日本陸軍を思い出す。
現在のイランでも名目上は近代国家の体裁を残している面はあろう。しかし、例えばアラグチ外相(職業外交官出身者で駐日イラン大使を4〜5年務めている)のような名目上の政府指導者たちはイスラム革命防衛隊出身の「最高指導者」の権威に逆らえる筈もない。戦前の我が国でも「皇国日本」の将来を心配する文民指導者は少なくなかったろうし、軍人の中ですら稀ではなかった(外国駐在武官経験者も少なくなかった)。しかし彼らも「皇国日本」には逆らえなかった。イランの現指導者層も国土を焼土と化した「皇軍」の轍を踏まないだろうか。悲惨なのはイラン国民である。