2017年9月2日土曜日

朝鮮人虐殺事件と小池都知事

関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件に関し小池都知事が関係団体 ( 日朝協会 ) の犠牲者慰霊の行事に追悼文を送らなかったことがメディアで報道され問題視されている。従来は石原知事も舛添知事も追悼文を寄せていたのであれば、そこに変更への積極的判断があったのだろう。知事自身の詳しい説明がない現在推測するしかないが、犠牲者6千余人との関係団体の挙げる数字が過大だと考えているとの推測は可能だろう。

2009年の政府の中央防災会議は震災時の約十万人の死者のうち朝鮮人 ( 一部は中国人も ) の虐殺犠牲者数を1%から数%と推定したという ( 朝鮮総督府による調査では千人弱とあるので1%とはそれも根拠とされたのか?) 。大きな幅のある数字だが、それ以上の確かな数字は決めようがないだろう。

そうした現状であっても千人単位の犠牲者があったとは言えそうだ。日本文化を熱愛したポール・クローデル仏大使 ( 劇作家としても有名 ) も朝鮮人が殺されるのを目撃している ( 『毎日』のコラム「余滴」9月1日 )し、のちの評論家清水幾太郎も血まみれの銃剣を目撃したという。いずれにせよ関係団体の「自然災害の犠牲と人の手で虐殺された犠牲とは性質が異なる」との小池批判は正しいと言う他ない。小池知事は少なくともより詳しい説明をすべきだろう。

小池都知事による都政の大掃除は都民の圧倒的支持を得てきた。しかしメディアの批判を生んだ今回の知事の判断は「都民ファースト」運動にとって躓きの石となるかもしれない。都議会の既成政党は自民党も民進党も、付け入る隙を見出したと思っているかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿