中国の急速な経済発展は同国の新幹線網があっという間に日本のそれを大きく凌駕した事実からも理解していたが、それに劣らず急激な有料高速道路網の建設が全国を網の目のように覆った事実は始めて知った。そして個人でローンで購入した大型トラックやトレーラーで物流を担う運転手たちが3000万人 ( 人口の5%近い?) に達するということも。国土の広さを考慮しても10年間に2倍の台数に増加とは驚きである。
番組はベテラン2人組、親子2人組、妻と幼児を乗せた新米ドライバー一家の三組のトラック運転手チームの生活を丹念に追う。一時は収入の良かったトラック業界だが、最近は燃料費高騰、競争激化、事故多発、ローン返済の四重苦?に追い詰められる運転手たち。かつて一台で請け負った仕事を十台で奪い合う。有料道路の料金も無計画な拡張のため日本より高額だった。
かと言って多額のローン返済を考えれば元の職業への復帰もできない。豊かになりたいとの人びとの願いに応えた急激な市場経済化の生んだ難問は、それに翻弄される国民にとっては勿論だが、中国政府の困難にも同情を禁じ得ない。中国が対外的冒険で国民の不満をそらすことなく、国際協調で難題を解決するためなら先進国も協力を惜しまないことが望ましい。ともあれ、かなり衝撃的な番組ではあり、激走する大型トラックは現在の中国の姿とも映った。
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