ところが近年は逆の事態?が生まれているという。今日の『産経』に「米ハーバード大 アジア系を差別か」との見出しの記事が載っている。それによると、現在ハーバード大学と全米の ( というより世界の ) 大学ランキングのトップを競っているカリフォルニア工科大のアジア系学生の割合は1992年当時の倍近い42.5%に達しているという。これに対して同じ期間のハーバード大学のアジア系学生は20%前後でほとんど動いていない。
元来、ハーバード大の入学者選抜はOBの選考委員による面接など画一的な試験成績以外の評価が加味されると聞くので、すでに逆クオータ制?が導入されているとも言える。成績主体で選考すればカリフォルニア工科大に近い割合になるのは避けられないだろう。
ハーバード大もカリフォルニア工科大と同様に私立なので税金配分の不公平といった問題はないだろう ( その結果、後者の年間の学費は400万円以上という )。しかしアジア系入学希望者からは当然「ほぼ満点なのに不合格」という不満が挙げられているという。それに対しハーバード大は「人種考慮は多様性のため」と説明しているとか。
理屈からすればアジア系の入学者の人数制限は不公平だろう。しかしハーバード大のようにもはや米国の大学というよりも世界の大学となっている場合、極端な人種の偏りを避けたいのは理解できる。日本人の留学生は近年減少していると聞くのであまり影響のない話だが、多年、留学といえば欧米留学だった私の世代の日本人には、入学したら周囲がアジア人ばかりというのも留学気分になれないだろう。それとも理系学生にとってはどうでもよいことか?
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