2017年9月15日金曜日

根拠の無い楽天主義

朝ドラの「ひよっこ」が北朝鮮のミサイル発射により放映中止となった。それは仕方のないことだが、朝のニュース番組が他局を含めてほとんどミサイル報道一色だったのには閉口した。もっとも私の不満は放送局にではなく北朝鮮に向けられるべきなのだろうが。

北朝鮮のミサイル発射に対する我が国の反応が過剰だとの声が韓国などにあるようだ。私も交通機関のストップなどは過剰反応だと思う。だが、北朝鮮の短期的な脅威に対しては過剰だとしても、中長期的な脅威に対しては今以上に過敏であって当然だと思う。暴言としか言いようのない北朝鮮の発言の真意が米国を交渉に引き出すことにあるとしても、悪罵もこれだけ続くと独裁者といえども国民の手前引っ込みがつかなくなる危険がある。

中長期的に北朝鮮の脅威に警戒が欠かせない理由の第一は、同国にとって朝鮮半島の統一は絶対に断念できない国家目的であることである。祖父金日成が北朝鮮国家の偶像である限り、彼の果たせなかった願いを放棄することは出来ない。そして韓国が北朝鮮による併呑を拒否する限り、武力による威圧 ( 必ずしも戦争ではなくとも ) での統一を断念できないだろう。

スイスの小都市ルツェルンには3万人分の核シェルターがあり、スイス全体でも人口分の核シェルターがあると聞く。どの国とも同盟を結んでいない永世中立国のスイスでもそれほど用心深い。私も東アジアに簡単に核戦争が起こるとは思っていない。しかし人命尊重がほとんど国是となっている現在の日本ほど脅迫に弱い国は考えられない。北朝鮮の核やミサイルの中長期的な脅威を軽視すべきではない。自国が戦争を嫌悪するからと言って他国もそうだと思い込むべきではない。「ひよっこ」の視聴を邪魔された怒りで言っているのではない!

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