2017年5月19日金曜日

時代と生活難

最近よく話題となる少子化は既婚家庭の子供の人数の問題であるとともにそれ以上に結婚しない男女が増加したためと言う。近年、塾通いなど正規不正規の教育費の上昇が著しいことは認められるが、少なくとも夫婦のうち一人が正規職、一人が不正規職に就ていれば生活出来ないほどではないはず。人口対策として移民の増加に期待するのも一つの方法ではあるが、ある意味虫のいい考えではある。

生活難の理由として物価高を嘆く声は高いが、むかしより相対的に価格が低下したものは少なくない。鶏卵が物価の優等生であることはよく知られている ( じっさい信じられないほど安い ) が、それに準ずる食品は豆腐、もやし、砂糖、醤油など数多い。牛肉や豚肉も国産にこだわらなければ今日ほど相対的に安価な時代はなかったのではないか。鮮魚は高級魚にばかり目を向けなければ、漁師に済まないと思う価格の魚もあるし、缶詰など驚くほど安い。工業製品もテレビを始め、やたら付加価値をつけた高級機を求めるのでなければ入手しやすくなった。

戦時中の有名なスローガンに、「ぜいたくは敵だ」「為せば成る。為さねば成らぬ。何ごとも」がある ( 後者が米沢藩中興の祖、上杉鷹山の言葉とは当時知る由もなかったが )。贅沢も今のような平和な時代なら悪いとは言えず、価値観の違いとして理解できる。社会全体のセーフティーネットはさらに充実していかなければならないが、戦中戦後を記憶する私はある意味今ほど暮らしやすい時代はないと思っている。

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