2017年11月6日月曜日

北朝鮮の核とミサイルへの対処方法

トランプ米大統領のアジア歴訪が始まった。その目的は北朝鮮の核問題と中国や日本との貿易不均衡問題の解決であるとは衆目が一致している。我が国にとってはとりわけ前者が深刻な問題である。

『毎日』( 11月5日 )は「トランプ歴訪と北朝鮮問題」と題して社説で論じている。我が国にとっては米国が自国を攻撃されないとの条件で北朝鮮の核保有を容認するならば最悪の「解決」であり、社説も「核武装を容認すれば北朝鮮は国際社会の善き一員となり、日本にも友好的な態度をとるというのか。逆により威嚇的になる危険性を考えるべきである」と反対する。私も全く同感である。

さらに社説は「相手の要求を簡単にのめば、さらに理不尽な要求を突きつけてくるかもしれない。これはナチス・ドイツに対する欧州諸国の領土妥協が裏目に出たミュンヘン協定 (1938年)の教訓だ。北朝鮮に対しても安易な「融和政策」は危険である。私たちは緊張緩和にも対話にも反対しない。だが脅威を後世に残さないためには細心の注意が必要だ」と続ける。

「ミュンヘンの宥和 ( 融和 )」に対し最も早く批判の書を著した一人はジョン・F・ケネディである。彼の最初の著作『英国はなぜ眠ったか』(  邦訳 日本外政学会  1963年刊 )はハーバード大学の卒業論文に手を加えて出版された。それ以来、「行動にはつねに危険や代償が伴う。しかしそれは、行動せずに楽を決めこんだ時の長期的な危険やコストと較べれば、取るにたらない」は彼の生涯の信念であった。

のち、キューバ・ミサイル危機に際して米国大統領としてケネディはこの信念に従って行動し、ソ連がキューバに配備したミサイルの撤去を要求してキューバを海上封鎖した。息づまる米ソの対決でケネディはフルシチョフに勝利した。その時の安堵感を覚えている人は少なくないだろう。フルシチョフの英断? ( ソ連の核兵力は宣伝ほどには強力でなかったとので譲歩せざるを得なかったとの説もある ) に対しケネディはやがてトルコ配備の中距離ミサイルを撤去してフルシチョフの体面が保てるよう配慮した。

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