2017年5月14日日曜日

本当の「弱者」は?

私が月一回通う病院では患者を「患者様」とアナウンスしている。他の病院のことは詳しくないが患者も偉くなったものだと思う。病院だけではない。三波春夫のせいか松下幸之助のせいか、お客や消費者はいつからか「神様」扱いされるようになった。私も一消費者として大切に扱われて悪い気はしない。しかし、サービス提供者の側が必要以上にへりくだる必要はないと思う。

モンスターペアレント、モンスターペイシェント、モンスターカスタマーと自分たちが神様になったように錯覚した親や患者や顧客の高飛車な態度を見たくない。先日、当地の市役所で職員に対し「民間企業では考えられない」と何度も同じ言葉で決めつける市民を見た。職員は反論せず、じっと耐えていた。昔はともかく最近職員の不親切な応対を見かけない。本当の弱者は誰かは自明ではない。権利意識のはき違えは見たくない。

むかし、『大空港』という米国映画を見た。航空機の墜落事故からストーリーが始まるのだが、記者の追求に対し航空会社の幹部が事故原因は調査中だとにべもない応対をするのに本当に驚いた。我が国の航空会社なら最初からひたすら低姿勢をとるだろうし、そうしなければメディアは非難するのではないか。しかし原因不明なら米国の会社の応対は間違っていない。デルタ航空での最近の力ずくの乗客下ろしにも驚いたが、それに触発されたテレビ番組で日航の元乗務員 ( CA )の我儘な乗客への対処方法を聞いて、もっと厳しい対応をしても良いのではと同情した。「おもてなし」は我が国の美風だが、サービス提供者への配慮も軽視したくない。

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