氏の当面の攻撃対象は主としてメキシコ系移民だが、すでに日本への安保ただ乗り論を口にしている。一般的には経済自由主義者の多い共和党政権の方が日本との相性が良いとされるが、とても安心できる人物ではない。移民やマイノリティ民族は米国経済に大いに貢献しているはずだが、職場や居住地で日夜向き合う労働者層にしてみれば歓迎してもいられない。
1970年代中ごろ、「ボストン通学バスボイコット事件」が耳目を集めた。学校現場での人種統合を実現するため黒人の多く住む地区の生徒たちをバスで市内の白人居住地区の学校に通学させるとの施策は、他国では考えつかない米国らしい大胆な措置で敬服に値するが、通学時間もかかる上にバスは白人たちに妨害され、黒人生徒たちはおびえ先細りとなったようだ。白人居住者たちの人種偏見を批判するのは容易だが、施策を決めた市政 ( 教育委員会?)のお偉方たちは黒人の稀な市外の高級住宅地に住み子どもを高い学費の私立学校に通わせる人たちだったと聞けば、白人庶民層の怒りは理解はできる。
とはいえ、公然と差別発言をするトランプ氏が米国大統領に就任すれば世界での米国の威信に傷がつくだろう。世界にとっても日本にとってもそれがプラスとは思えない。もどかしいが此処は米国民の良識に期待するしかない。
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