2015年8月18日火曜日

映画雑感

新聞休刊日を利用して午前中に近くのシネコンで「日本のいちばん長い日」を見た。九時過ぎに初回の上映なので余裕を見て出かけたがすでにチケット売り場には数十人の列ができ、しまったと思った。しかし子供連れの三、四人の家族が大半 ( 他作品が目当て ) なので上映には間に合った。

観客は40人ほど ( それでも「アナと雪の女王」についで多い )。終戦の決定に至る映画の内容は特別新しいものではなかったが、英語のタイトル The Emperor in August  にふさわしく昭和天皇の言動はかなり詳しく (初めて?)扱われており、一応満足できた。天皇役者も似ていなくもなかった!

昭和天皇は個人としては平和主義者だったと私は考えるが、元首としての開戦責任は当然有ろう。それでも戦後昭和天皇が退位しなかったことは保守派の人たちにもいろんな意見があったろう。ただ天皇の主観では最後まで国民への責任を果たしたいの一心だったのだろう。

そう思うようになったのはエリザベス女王や両陛下 (天皇は私と同年 ) が見るだに痛々しいと感ずるのに退位しないからである。英国王室も天皇家も働き盛りの後継者が育っているのに。しかし、こればかりは側近でも助言ははばかられるのだろう。

もし天皇が憲法を超えた独裁者だったらあの戦争は起こっていただろうか。それはわからないが中途半端な民主化 ( 明治憲法程度でも ) には危険が伴う。現在の中国は独裁国であることは疑いないが、胡錦濤時代いったんは集団指導制を取り入れたため逆に思い切った改革は出来なかった (宮本雄二 『習近平の中国』 著者は元駐中国大使 )。メディアはしきりに習近平政権への権力の集中を批判的に報ずるが、恐らくそれなしには日中関係の改善は困難だろう。第一次大戦中から「外交の民主的統制」が叫ばれるようになり、講和条約締結までの期間は長引くばかりとなった。

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