政権による暗殺説の弱みはプーチンは別に追い込まれていないことである。過去の例では政権が関与していた疑いはあるケースもあるが、いまや世論は圧倒的と言って良いほどプーチンを支持している。わざわざ疑惑を招く手段を取る必要があるだろうか。逆に反政権派による挑発説も疑問である。プーチンとしては取りあえず政権への疑惑を否定する材料として利用したのではないか。
私は単純にネムツォフへの極右国粋派の反感が犯罪の原因ではないかと考える(むろん断定はしない )。政権の強権的性格への彼の批判には同感する国民も少なくないだろうが、クリミアの併合が「侵略」だと主張した( 『朝日』夕刊2月28日 )のは行き過ぎだつたと思う。住民投票の結果は明らかだったし、ゴルバチョフ元大統領もクリミアは元来ロシア領だったとして併合を是認している。暗殺行為は厳しく裁かれるべきだが、ネムツォフも歴史的経緯を無視していた。
以前にブログで紹介したように米国は、当時のベイカー国務長官が東欧諸国を西側に引き入れはしないと約束しながら約束を守らなかった。ゴルバチョフは西側諸国を信頼した過去の判断を今では後悔していると思う。
現ウクライナ政権があくまでNATO加盟を目指すなら東部二洲を確実に失うだろう。住民投票で勝てないだろうから。住民投票には該当地域の範囲をどうするかで結果が変わるなど問題はあるとはいえ、解決不能とまでは言えず、スコットランドの例が示すようにもっとも公明正大な解決方法である。スコットランドは良くてウクライナ東部はいけないとは誰も言えないだろう。スコットランドは400年間連合王国の一部であった。
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