彼女の訪日の目的は、これまで訪中は七回なのに訪日は二回というアンバランスの是正や、6月のサミット主催国ドイツの首相としての根回しなどもあろうが、ウクライナをめぐって日独協調を目指すこともあるようだ。米国はロシア制裁に最も熱心であり、ウクライナへの重火器援助をちらつかせているが、ドイツやフランスはそこまでのロシアとの対立を望んではいまい。北方領土問題を抱えロシアとの対立を避けたい日本はメルケル首相にとり潜在的な味方である。ぜひ本心を確かめたかったのだろう。
そのためかどうか、彼女は長い演説でも歴史認識問題に言及せず、日中韓三國の関係への助言はしないとことわり、記者の誘導質問を受けてやうやく発言した( 一紙だけ読んでは、飛んだ誤解をする だろう )。過去にきちんと向き合うという当然のことを述べたが、隣国フランスが寛大だったことも一因と挙げた。日中韓三國の反省を迫ったシャーマン米国務次官の発言に日本びいきだと猛反発をした韓国メディアはメルケル発言にも猛反発するだろうか。それとも大使受難事件の後ゆえ素知らぬ態度で過ごすだろうか。
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