舛添都知事に関するメディアの報道に私がこれまで疑問を呈してきたのは、外国出張が贅沢旅行だったとの報道はメディア側の知識不足であること、他の都知事の先例と比較した上での非難とは思えなかったこと、都知事に必要な専門的素養や文化的素養の点で彼が不適格な人間とは思えなかったことなどがあった。それらを繰り返したくないが、都知事の旅費規定 の宿泊費 ( 4万円とか5万円とか ) は今では非現実的だし、司法、立法、行政の三権の長の航空料金がファーストクラスということならその次には都知事は有資格者だろう。厚労相を務めた彼の専門的素養も、外国の政治家や文化人の表敬訪問へのホスト役としての彼の学問や芸術面での素養は役立ったろう。次の都知事候補と取り沙汰される人たちはどれも前知事以下としか思えない。
メディアの舛添非難の洪水の中では、朝日新聞と東京新聞は途中からではあるが少なくとも異論を紹介した。前者は「声」欄に「集団的いじめではないか」との投書を載せたし、東京新聞は以前本ブログで紹介した宮子あずさ氏の「本音のコラム」での高額旅行費弁護の他にも、「もっと巨悪に立ち向かって」( 6月17日 )との投書や、日ごろ野党的立場で知られる山口二郎氏の「私は、同氏が辞めなければならないほどの悪事を働いたのかという疑問を持っている」、舛添氏が「さもしいと思う」が、「叩いても安心な人物は嵩にかかって攻撃する日本のメディアもまた、さもしいと感じた」とのメディア批判を載せている ( 6月19日)。
今朝の「モニターの目」の朝日新聞批判に対し、同紙の東京社会部次長は「厳しく ( 知事の )責任を追求しながらも、新聞ならではの冷静で多様な論点を提示する方法がもっとあったのではないか。いまでも自問自答している」と答えているのは救いである。他の全国紙は見習って欲しい。本当の危険はむしろ画一的空気にあるのではないか。
数日前、テレビ東京は池上彰氏司会でスタジオに100人の各世代の視聴者を集めて意見を聴取したが、舛添氏は辞めるべきだったとの意見が96対4で多数だった ( やはり...........)。反対意見は1 )再選挙に50億円かかるから 2) 責任をとるイコール辞めるではない、3) ( 残りの任期を)タダ働きさせるだった。舛添氏も給与削減などと中途半端な提案をせず、全額返上と最初から言うべきだった( もっと批判に敏感であるべきだった )。
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