2016年7月6日水曜日

原爆投下と国家間の和解

昨夜のNHK   BS1の「国際報道」 ( 夜10時~ ) で、オバマ大統領と言葉を交わした被爆者2人のうちの1人の原重昭氏のことを短くだが改めて取り上げていた。同氏は原爆で死亡した12名の米兵捕虜のことを40年間調査した人としてオバマ広島訪問の際にも注目されたことは記憶に新しい。米国人にも殆んど忘れられていた死亡捕虜たちを多大な困難を克服して調べ上げた氏を大統領が抱擁したのは理解できる。
原重昭氏にとっては日本人であれ米国人であれ被爆者であることに何の違いもなかったことが、大統領の感動を呼んだのだろう。米国でも広く報道された ( 一部に批判的新聞もあったらしいが )ことは一個人として原氏は日米の和解に多大の貢献をした人と言えよう。

米国による原爆投下が一般市民を無差別攻撃した国際法違反行為であることは間違いない。それ故にこそ米国は広島市民の反応を恐れ、公式謝罪となることを恐れたのであろう。しかし、広島市民も日本国民も原爆の正しい認識や核兵器の無い未来を謝罪よりも優先した。対照的に、オバマ氏の広島訪問を日本を免罪するものとした韓国新聞や中国政府の志の低さが今回あぶり出されたのは皮肉である。

長い歴史を持つ国はむろん、建国後二百数十年の米国も汚れの無い歴史を刻んできたわけではない。それを自覚すれば他国の過ちばかりを取り上げて謝罪にこだわるのは賢明ではないし建設的でもない。そのことを身をもって示した原重昭氏の存在を讃えたい。

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