2016年7月25日月曜日

ロシア選手のリオ・オリンピック参加

IOCはロシアの国家がらみのドーピング違反にもかかわらず、違反者以外のロシア選手のオリンピック参加を排除しないとの方針を決めた。IOC内部でどんな力学が働いたかはまだわからないし、反対論にも一理も二理もあると思うが私は参加を支持したい。

旧ソ連圏ではかつて国威発揚のため ( 共産主義発揚のため?)、国家が大規模にスポーツ選手を援助し、メダリストともなれば栄誉だけでなく一生豊かな生活を保証された。いま思えば薬剤も大いに使われただろう。ロシアと名を変えてもその悪しき伝統は未だに残っていたとは。IOCの今回の決定でも果たして何人の選手が検査をパスするかは分からないし、開幕まで十日という現在検査が完了できるかも危ぶまれる。

それでも例え少数でも無違反者がオリンピック競技から締め出されるのは不当である。オリンピックは国家間の競争ではなく、あくまで個人間の競争であるとあれほど説かれてきた筈。検査が間に合わなければ事後メダルを剥奪すれば良い。一部?のメディアではロシア選手排除の結果、日本選手が有利になる種目はどれかなど推量している。浅はかというほかない。体操の内村航平選手は今回のIOCの決定を歓迎している。異論の余地のないチャンピオンになりたいのだろう。これこそ真のスポーツマンだろう。

これまで私が見た映画のなかでも十指に入りそうなのが、偶然テレビで見た「炎のランナー」である ( 世評は知らなかった ) 。1900年のパリ・オリンピックに出場して金メダルを取った二人の英国の陸上短距離 ( 100米 ) ランナーの物語である。一人はオクスフォード大学の学生?だがユダヤ人への偏見に苦しみ、一人は競技当日が安息日の日曜になったため出場を辞退し、予定外の200米走に出場し両者とも優勝した。後年、前者は人種偏見を克服して英国スポーツ界の重鎮となり、後者は神への献身を貫き中国で宣教師の生活を送ったという。今日ではテーマ音楽のみ有名だが、真のスポーツマンとは何かを示唆して印象深い映画だった。



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