2016年7月28日木曜日

都知事選の行方

米国の大統領選挙と比べればスケールも重要度も違うし、東京都民以外の人たちにどれほど関心があるかはわからないが、都知事選はあと3日で決着がつくことになった。先週末の世論調査では各紙とも小池、増田、鳥越の順に最後の追い込みに入った。

私が都知事に求める資質は単純化すれば、1 ) 専門的素養の蓄積があること、2 )文化外交の当事者として適任か の二点である。そこで三人の資質を私流に判定すると、1の点では増田候補が一歩抜きん出ていることは認めたい。岩手県知事12年間の経験はやはり強みだろう。立候補後の最初の三者インタビューでも主張に最も具体性があった。その後、都政のムダを無くすための方策を問われて、ムダを無くす人材の登用がカギだ、職員はどんなムダがあるかをよく知っていると答えたのは説得力があった。文化外交の担当者としてどうかは不明だが、誰もが感じている地味さはマイナスではある。

小池候補は環境大臣を務めたのだから専門的素養がないとは言えないが、増田候補にはやや劣るだろう。そのかわり、エジプト留学などで身につけた視野の広さや語学力は三人の中で頭一つは優れていよう。初代の女性都知事ということもホスト ( ホステス?) 役として有利に働くだろう。

突然浮上したと自認する鳥越候補はやはり準備不足が否めない。最初の三者インタビューで都知事としての第一の課題にガン検診100%を挙げたのには耳を疑った ( いくらガン対策が大事だと言っても )。 ついで東京都を、働いてよし、住んでよし、環境によし ( あと一つ、忘れた!)の都市にすると述べたが、それらは目標であり、それを実現する手段である政策ではない。憲法擁護や原発反対は都政への具体策の乏しさをカバーするためではないかと疑われる。突然の「淫行」疑惑はまったく真偽不明だが不利に働くことは間違いない。

英国のEU離脱はブックメーカーの賭け率では5対1で負けていたが結果はご存知の通り。あと三日間に何が起こるか誰にもわからない。しかし、公私混同問題の舛添氏と今回の鳥越氏と、週刊誌の暴露記事が二人の将来の帰趨を決めるとすればそれで良いのかという気がしないでもない。いまは都民の成熟した大人の判断を期待するほかない。

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