円高円安それぞれの時期に儲かったのは大企業であり、中小企業はその恩恵に与らなかったとの報道もよく見る。しかし、昨日の朝日新聞の「経済気象台」(企業経営者とエコノミストによる匿名の小コラム)によれば、「中小企業の倒産件数は急速に減って」おり、この一年間は何と「バブル景気崩壊直前の1990年度以来の低水準だ」という。アベノミクスの最終評価は下せる段階ではないが、伝えられる人手不足現象の受益者は既に正規職に就ている者よりも非正規労働者(時間当たり賃金の上昇などを含め)であることは否めない。むしろ国民所得の平準化に寄与しているとの見方もできる。
円高や円安など通貨価値の変動で苦しむ企業や国民を報道するのが悪いのではない。しかし、それで利益を得た企業や国民のことを一切報道しないなら、それは偏った報道と言うほかない。メディアが安直な正義感で事実を取捨選択するのは傲慢そのものである。
0 件のコメント:
コメントを投稿