2014年10月16日木曜日

領土問題の捉え方

『週刊新潮』で「尖閣棚上げを口走る逆臣二階総務会長」との記事が掲載されているようだ(  未見)。来月北京で開催されるAPEC会議を機会に日中首脳会談を開くよう水面下での交渉が進行しているらしい。仄聞するところでは中国側の開催条件は、安倍首相ら政権幹部の靖国参拝の中止と尖閣列島の帰属棚上げだとか。

日本は中国や韓国に頭を下げてまで首脳会談をしなくてよい( 財界は会談を望んでいるだろうが ) 。経済関係が悪化して困るのはお互い様であり、会談のために日本が一方的な譲歩をする必要はない。しかし、相手の要求が不当でないならば話は別である。私は中国が要求している( らしい )二条件は受諾可能だと思う。安倍首相の靖国参拝への私の反対については既にブログ( 8月29日 )で述べた。のこる尖閣問題は、棚上げも一つの方法と考えている。

そもそも私は領土問題で「歴史的にも法的にも疑いもなく自国の領土」とむやみに力むことに疑問を持っている。国境線はフランスとドイツ、ドイツとポーランド、ポーランドとロシアのように、両国間の力関係により一方が強いときはその国に有利に、弱いときは不利に決まることを繰り返してきた。韓国との竹島帰属もその例外ではなかったようだ。尖閣列島の場合は竹島より日本の立場は強いようだが、日中国交回復交渉では帰属で対立は解けなかったようだ。鄧小平が来日時に「後世の人に解決は任せよう。彼らは我々より賢明だろう」と言ったのは、今から思えば棚上げの主張だった。当時は私なども「なるほど、これが大人の態度か」と感心し、マスコミもそれを問題視しなかった。鄧小平の老獪さに乗せられていた( 私の場合 )、ないし目をつぶっていた( マスコミの場合 )のである。

領土問題を国際司法裁判所などに提訴しても不法占拠国を当事国に代わって追い出してくれるわけではない。日中韓のどの国も領土主張をして艦船を現地に送り込むだけが能ではあるまい。権益なら関係両国の間で分け合うことも出来る。私は利権の匂いのする「小角栄」のような二階氏を元来好まないが、逆臣呼ばわりは酷すぎる。

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