2014年10月13日月曜日

ノーベル賞受賞を慶賀する

今年は冬季五輪、サッカー・ワールド杯とマスコミの狂騒曲が続いたが、ノーベル賞狂騒曲もありとは予想できなかった。年内にまだ一回ぐらい何かが後ろに控えているかも。

ノーベル賞騒ぎも大分収まってきたようだが、その間、私も無論無関心ではいられなかった。むかし、英国滞在中に朝永振一郎博士のノーベル物理学賞受賞が報ぜられた。何しろ日本人二人目の受賞だったので、野暮だとは思ったが二、三の英国人にその事実を口にしたが、反応はほとんどゼロだった。英国は米国に次いで受賞者が多いとは知らなかった。

その頃に比べれば日本人の受賞も珍しくなくなったのに、相変わらず我々はノーベル賞慣れしていないようだ。しかし今回は、一度に三人の同胞( 中村氏は研究費獲得の必要から米国籍とか )が受賞したこと、青色ダイオードが世界に恩恵をもたらしつつあることなど、日本人として誇りに思って当然だろう。また、赤崎、天野両氏の謙虚さ、中村氏の率直さのどちらにも好印象をもった。我ながら矛盾しているが、これがノーベル賞のオーラというものか!

しかし、物理学教授だった友人のメールによれば、今回の受賞は喜ばしいが既に過去の業績であり、今後の我が国の自然科学界の前途は、他国と比べての論文数の減少傾向を考慮すればむしろ暗いとのこと。それが事実なら( 図表まで添付されている )由々しいことであり、中高での理科教育の一層の充実( とくに実験など )を始めとする振興策が欠かせないだろう。

文学賞や平和賞を逸したのは残念だった。日本ではどちらも有望との下馬評だったが。今年はライバル( とくに平和賞 )が強力だつたことを認めざるをえない。憲法第九条の場合は、すでに何十年も解釈改憲がなされていることが考慮されたかもしれない。何れにせよ両賞とも他日を期すほかない。

P.S.訂正と補足を。10月2日のアクトン卿の名言を英語でも六語と書いたが、七語ないし八語が正しい? Power (tends to ) corrupt. (And ) absolute power corrupts absolutely.のカッコ内を忘れた。もっとも、Wikipediaが必ず正しいとも言えないが、原典で反論できない!
9月24日に、隣家の火事で警察の質問を受けたと書いたが、隣家の夫婦仲を聞かれたのは父で、中学生の私ではない。
9月25日に高橋源一郎氏が引用した文章( 正義より事実を選ぶとの )の作者を10月12日のブログで失念したと書いたが、スーザン・ソンタグでした。


0 件のコメント:

コメントを投稿