選ばれたのは英王室と英国民の同国への特別の親近感と治安状況への配慮によるものであろう。
世界ニュースにはならなかったが日本の皇太子夫妻も平成十四年に同国を訪問しており、私は偶然同じフイヨールド観光船に乗り合わせた。日本を離れる前から皇太子夫妻の同国訪問は耳にしていたので、現地で鉢合わせするかもと冗談を飛ばしていたが、まさかその通りになると思ってはいなかった。事実、最初の予定では前日に南島西岸のフィヨールド(ミルフォード・サウンド)見物をする予定だった。ところが春の盛りの12月と言うのに西岸への峠に近ずくと、雪がどんどん降ってきた。貸切バスは其れでも続々と峠に向かっていたが、レンタカー利用者としては大雪で帰路が二日閉鎖されたら帰国便に乗機出来なくなる。幸い予備日が一日あるので取りあえず引き返した。幸い雪はそれほどにはならず、翌日無事に峠を越えた。
現地では二つの会社が観光船を運行していた。その一つと交渉したら、日本の天皇が乗るので船内に閉鎖する部分があるという。皇太子だと訂正して先に乗り込んだ。そのうち皇太子夫妻がやって来たが、お付きの日本人や白人が二、三十人いた。私はタラップの上端近くに座席を取っていたので、タラップを登ってきた皇太子と目があった(だから何なんだと言うべからず!)。
天候が悪化する気配だったので、クルーズの前半(往路)は上甲板に出て景色を楽しんだ。しかし皇太子夫妻は往路には姿を見せず、見せたはずの復路では天候がやはり良くなくなっていた。
現地の人たちとの挨拶や交流も大事だが、夫妻のせっかくの楽しみが半減したのではなかろうか? 間も無くの雅子さんの発病も、そうした不本意の累積も一因だったのではと思わずにはいられない。
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