2016年10月18日火曜日

ボート・カヌー会場選定の難航

東京オリンピックのボート・カヌー競技の会場選定が難航している。今日の小池都知事とIOCのバッハ会長の会談の内容は伝えられる限り、当初の海の森会場の方針を守って欲しいとの婉曲な要望であるようだ。

そもそも会場選定がこじれたきっかけは東京オリンピックの経費予想が当初言われた数千億円から三兆円に膨張したことにある。しかし北京、ロンドンの開催費も三億円を超えていたと聞く。東京の場合も施設費以外の警備費や運営費などが巨額なようだ。当初の数字とは積算根拠が全く違うのである。

とはいえ我が国の財政難を考えれば開催費は出来るだけ節約することが望ましい。しかもIOC自身がオリンピックの簡素化に好意的になりつつある。むろん選手たちの使い勝手は大事だが、ボート会場も宮城県や埼玉県に適当な候補地があるなら再考の余地はあろう。各競技団体も理想論に固執すべきではないし、ましてレガシー ( 遺産で何が悪い!) 作りは二の次、三の次である。私にとってのオリンピックの遺産は長野大会の男子ジャンプ、リオの体操、卓球、バドミントン、水泳などでの選手たちの歓喜や感涙の思い出である。

IOCが韓国でのボート・カヌー競技の開催の可能性を口にしたという。平昌オリンピックのボブスレー競技の会場も難航し、日本側が長野での開催を申し出たが韓国側が断固拒否したとも聞く。私はボート会場が韓国に移されても断固反対はしないが、同じ選手村での各国選手たちの交流や親善という理想に合致しないとの国際ボート連盟会長の長沼への反対理由は何だったのかとは思う。

夕刊に海の森会場の整備費を当初の491億円から300億円に圧縮する試算がなされつつあるという。そうであれば今回の開催地騒動も、当初案に落ち着いたとしても十分意義があったともいえる。他の競技会場も仮設の観客席の採用など今後も簡素化に勤めて欲しいものである。

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