同病院の四階は終末期の患者の収容施設になっていたようだ。そうでなければ一日に5人の患者が死亡しても ( 2か月で50人とも )病院が意に介さなかった理由は説明困難である。あくまで想像だが、病院側が不自然死と感じていたとしても事件となれば厄介であり、まして終末近い患者の死では目をつむりたかったのかもしれない。
もし病院内の犯罪ということになれば相模原の県立障害者施設「やまゆり園」での大量殺人事件の影響は当然考えられる。他人の介護なしには生活できない人たちという点で両者には共通性がある。「やまゆり園」事件の犯人植松は麻薬の影響下にあったらしいが、抵抗できない人の命を奪う行為が悪であることは明らかである。ただ、そうした施設で働いた経験に欠ける私には自分がその場合どう感ずるかは予想困難なので、軽々に他人を糾弾したくはないが。
「やまゆり園」の障害者 ( の父兄 )の会の要求に応じて黒岩神奈川県知事は、園の建物を60~80億円をかけ撤去し新築することにしたという。危うく難を逃れた入居者の保護者としては無理もない面はある。しかし、こうした施設への入所希望者は数多いのではないか。同じ規模の施設を新設し、「やまゆり園」は残して新規希望者を収容すべきではないか。既入居者の要求だからといって同意するのは安易に過ぎる。知事は県の施設での職員の犯罪の管理責任を取ったつもりだろうが、知事のすべき第一の仕事は入所を希望する人を可能な限り多く収容することではないか。立派な施設を撤去する必要があるとは思えない。
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