アラブ諸国からのイスラム移民が多数のフランスと異なりドイツのイスラム移民は従来、政教分離をいちおう建前とする国のトルコ人が中心だった。しかし最近はドイツでもイスラム信仰のあついアラブ系の移民難民の割合が上昇し、今回の再検討の動きとなったのだろう。むろん一連のアラブ系のテロ事件もきっかけだろう。
仮に政策変更となっても私は止むを得ないことと考える。以前にも書いたことだが、ブルカやニカブを着用すると男女の別すら判然としない。多文化主義が叫ばれる現代でも、以前からの住民は異文化に寛容であるべきだが、移民難民の側もある程度現地の文化に順応しなければ文化摩擦は無くならないだろう。
戦前のわが国に住んだライシャワー一家では、日本人の下手な英語を笑いのタネにする米英同胞への反感から、自分たちは日本に住まわせてもらっていると教えられていた。多くの外国人が来日し日本経済のために貢献している現在と当時とは異なるし、旧植民地出身者を特別扱いするのは各国でも普通のことのようだが、「郷に入れば郷に従う」とのことわざは現在でも必ずしも時代遅れではない。人間心理は時代により大きく変化しないからこそ現代の我々が過去の文学を理解し共感することが出来るのではなかろうか。
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