2016年4月19日火曜日

報道番組の面白さとつまらなさ

昨日の新聞によればワイオミング州の共和党予備選でクルーズがトランプを抑え勝利したという。映画「シェーン」に描かれた人口希薄な州の勝利で最終結果に結びつく訳ではないが、嫌な予感がしないでもない。

内外のメディアではトランプの発言の数々が大きく取り上げられ警戒を呼んでいるが、だからといってクルーズが「より小さな悪」なわけではない。先日 ( 4月11日 )のフジテレビの「プライムニュース」で旧外務官僚で評論家の佐藤優氏が、トランプは「うんと悪い」候補だがクルーズは「とんでもなく悪い」候補だと語っていた。私も氏の意見は傾聴に値すると思う。

クルーズは保守強硬派ないしキリスト教保守派と呼ばれている。私は米国であれ日本であれ政治に宗教を持ち込むことは良くないとこのブログでも指摘してきたが、とりわけ一神教を政治に持ち込むことは危険だと感ずる。トランプの暴言はその効果を巧みに計算した上での意図的戦略的暴言で、本人が仮にそのすべてを信じているとしても実行できるとは限らないことは分かっているだろう。しかしクルーズは狂信者とまでは言えないとしても確信者である。「プライムニュース」に彼が小銃の先端部分にベーコンを巻きつけて連射し、発射熱で焼けたベーコンを平然と食べている場面があった。もともと全米ライフル協会への支持を公言しているクルーズだが、「マシンガン・ベーコン」を食べる彼には作為も計算も感じられず、不気味な印象しか無かった。

「プライムニュース」は反町という記者出身のキャスターが毎回複数のゲスト ( 多少違った意見のゲストの場合が多い ) を呼ぶ番組で、フジ・サンケイグループが保守寄りな論調であることは否めない。しかし他局の同種の報道番組がゲストの御意見拝聴に終始したり、逆に先月までの「報道ステーション」のようにキャスターに反論しない ( 反論できない。また呼んで欲しいから ) ゲストばかりを呼んだりするのに比べて、反町氏がゲストの意見に疑問を呈したり、時にまぜっかえししたり、活発な意見が交わされ面白い。

それにしてもかつてムネオと組んで叩かれた佐藤優氏は、『外務省のラスプーチンと呼ばれて』の著者にふさわしい怪物的容貌にさらに磨きがかかってきた!

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