2016年4月15日金曜日

奨学金制度の問題点

予算編成の時期と関連するのかはわからないが、最近、現行の奨学金制度の問題点が新聞各紙でも取り上げられ、国会ではその改善 ( 貸付型から給付型へ ) が検討されているようだ。しかし、その返還が元奨学生への過大な負担になっているとの各紙の指摘ではあるが、公正という観点からすると給付型が理想とも言い切れない。

昨日の東京新聞によれば ( 各紙の数字には若干違いがある ) 、現在の国立大の授業料は年54万円、私立大の平均は86万円とのこと ( 入学時の諸負担を加えると国立大で60万円台、私立大では100万円以上にもなるようだ)。60年以上前、私が大学入学した頃の授業料は1万円前後だったから、その間のインフレを考慮しても授業料などの負担はより重くなっているだろう。

しかし、国立大やそれに倣った私立大の授業料の高騰には一応の理由があった。戦後かなりの間、大学入学者は同年齢者の1割にも満たず ( ? )、中高校卒の勤労者 ( 就職した同年齢者を含む ) が納めた税金を大学奨学金に回すことには異論もあり得た。そのため授業料は値上げし代わりに奨学生を増やす方向が選ばれたと記憶する。じじつ今の大学生の4割は奨学金を得ている ( その内訳は有利子枠が約7割という )。

時代は変わり大学進学者が同年代の半数を占めるようになった。奨学金を全額無利子としたり支払猶予期間を延長するのは望ましい。しかし統計上では中高校卒業者よりも大卒が生涯賃金額で有利な以上、奨学金返還を求めるのは不当ではない ( ある意味、格差縮小の方向とも言える ) 。一般論として教育にもっと我が国が予算を当てるべきという意見には賛成するが.................。

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