それでも私も十年ぶりの日本出身力士の優勝を喜んでいることは否定しない。それには五回の大関陥落の危機 ( 私は大関として不名誉極まるとさえ考えていた ) を努力で乗り越えての優勝という意外性や優勝後の琴奨菊の幸せそのものの笑顔も与って力あったが、何と言っても十年60場所の日本出身力士の空白に終止符を打ったことが大きいと認めざるを得ない。やくみつるが理由として白鵬らの賛成し難い所作 ( 『東京新聞』)を挙げていたのにも同感する。
理屈では『朝日』の投書子の絶対的正しさを認めながら十年ぶりの日本出身力士の優勝を喜ぶのは矛盾ではあるが、人間性は理想主義者の考える通りではないということだろう ( 開き直り?)。移民問題も同じこと。ハーフ生まれの人に子どもの頃いじめられた経験を持つ人が少なくないと聞くのは、子どもは本性のままに行動するからである。差異を超えるのは教育の結果なのである。しかし、危機 ( テロの場合も、外国人力士の優勝独占の場合も!)に際会すると、抑えられていた本性が頭をもたげる。それを計算に入れて制度設計はなさるべきなのである。それでも問題提起した投書の意義は認めるべきだろう。
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