外国の議会でも一定の議事妨害 ( フィリバスター ) は認められている。ただし演壇での長広舌もかならず立ってしなければならないとか、途中は手洗いにも行ってはならぬとかおのずと制限はかかるということだ。しかし委員長の出入室を物理的に阻止することが許されるとは少なくとも先進国ではあまり聞かない。「強行採決」との批判は第一原因である実力阻止に目をつぶっている。法案への反対に理があるからと言って言論の府でどんな手段も許されるものではなかろう。次の選挙で国民の審判を仰ぎ法律を改めるのが正道だろう。
もっとも今朝の『毎日』によると事態は単純ではないようだ。野党側も16日中の採決は覚悟しており、鴻池委員長には当日出入室が可能な時もあったとのこと。鴻池氏が自から動かなかったのは野党に対して「いい子」ぶって見せたかったのか、政権中枢の後輩たちへの長老のひがみだったのか。正当な不満があるなら委員長を辞任すべきである。
雨中の院外のデモ参加者の熱意はむろん立派である。しかし一般市民の多い今回のデモを持ち上げるあまり1960年の安保反対デモが労組などの組織的動員が主だったとの指摘がメディアに散見されたのは全くいただけない。私自身は就職一年目で多忙だった上に新安保条約批判に同意できなかったのでデモに参加しなかったが、友人たちは多く参加していた。むろん学生組織はデモ参加を呼びかけていただろうが、学生たちが完全に自由意志で参加したことは疑いない。現在の記者たちの無知?を正す年長者はいないのだろうか。
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