30年ほど前、東欧共産圏諸国をめぐるツアーに参加した。東ドイツ航空のチャーター機利用だったので (スチュワーデスたちを見た途端、その体格にここはドイツだと感じた!)往復とも東ベルリンのシェーネフェルト空港利用だった。ベルリンの壁やブランデンブルグ門や美術館などを案内された。昨夜見たベルリンの壁には強烈な色彩の絵がいっぱいに描かれていたが、当時は少なくとも壁の東独側にはそれはなく、西ベルリンはブランデンブルグ門から遠望しただけ。街を走る車の大部分は色とりどりの小型車ブラバント。大柄なドイツ人が後席に収まるか疑問の車でも当時入手するのに十年の貯金が必要だったとのことで、今回インタビューされた婦人は展示車を見て懐かしいと言ったが、本心なのかユーモアなのかはわからなかった。
東欧共産圏諸国は、その政治はともかく他の面では西側の影響を受け始めていた。ブタペストで泊まった最新の?「アトリウム・ハイアット・ホテル」の駐車場にスーパーカーが並んでいたので驚いたが、ハンガリー初のF 1グランプリレース開催とかち合ったためだった。共産圏諸国と一括りされていたが国境の出入国検査は厳しく、相互関係は必ずしも友好的ではないとの印象だった。
なにしろ大手旅行社はまだ東欧旅行を手がけていない頃だったので、現地で他の日本人グループと会うことも全く無く、ポーランドからチェコスロバキアへの夜行列車は寝台車の手配漏れで普通車の座席で苦しかった。それでも、アウシュビッツ収容所を訪れるので参加したという若者も居て、最近のツアーより雰囲気は良かった。何よりヨーロッパの歴史にどっぷり漬かった旅ではあった。
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