2015年5月15日金曜日

新安保法制 一つの捉え方

安倍内閣が新安保法制を閣議決定し、今朝の新聞各紙が大きく取り上げている。賛否何れにせよ今回の安保諸法案が一つの転機であること、これにより自衛隊が海外の紛争に巻き込まれる可能性が増大したことは否定できない。「戦争法案」との評価は極端だが、首相の「そのようなことは絶対にあり得ない」との発言も正しくない。自衛隊員の家族が不安を感じているとしても自然である。

しかし、今回の諸法案がそのまま成立したと仮定して、わが国は同じ敗戦国のドイツやイタリアが半世紀前に選んだ道に一歩踏み出したと解すべきだろう (両国はアフガニスタンに派兵までして犠牲者を出している )。両国にはNATOという制約がある (だから過ちを犯す危険はない )とテレビでドイツ人が語っていたが、NATOはロシアにとっては脅威であり、セルビアにとっては爆撃を繰り返す敵だった。

日本が米国と同盟、それも基地提供の代わりに守ってもらうという「片務的」同盟を結んで来た以上、民主党政権が続いていても同盟強化の要求を拒みきれなかっただろう。国会での慎重審議は当然望まれるが、単に法案成立を阻止する口実と化しても困る。1960年代中ごろ英国労働党政権がロンドンの第三空港の候補地としてスタンステッドを選んだら、保守党が審議審議なしには認めないとした。野党になると保守党も日本社会党と同じだと思った。

南スーダン派遣の韓国軍が弾薬不足を懸念して現地の自衛隊に弾薬補給を要請し、自衛隊隊長がこれに応じた。現在の法制では彼は法規違反の責任を問われる可能性があった。それでも500人?の韓国兵が弾薬尽きて虐殺される危険を黙視出来なかったこの隊長を私は立派だと思った。韓国の政府も国民も感謝しなかったが。

スイスのルツェルンは世界的観光都市だが、原爆攻撃に備えて3万人収容可能の地下壕を備えているという (現在の市の人口は8万人。建設当時はもっと少ない?)。永世中立国で仮装敵国もない (考えられない )スイスが国民の安全のためそれだけの準備をしている。他国との同盟のため紛争や戦争に巻き込まれたくなければスイスのようにハリネズミのような防備が必要となろう。私はそれもありと考えるが..........。

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