2015年2月4日水曜日

ギリシャ回想

ギリシャとEUの対立が険しくなっている。このまま行けばギリシャのEU脱退に至るかも。対立が世界経済に与える影響も一年前よりは小さいものになっているらしいが、本当のことはわからない。

20年近く前になるが春休みを利用してギリシャへのツアーに夫婦で参加した。観光が目的だったが、当時元教え子がアテネ大学大学院でギリシャ考古学を学んでおり、激励もしたかった。そのため前もって当人に予定を知らせたのだが、何しろ現地の邦人社会は狭いので、我々を案内する現地ガイド(日本人女性)にまで私の身元が知られてしまった。その結果私自身はギリシャ史の門外漢なのにガイドは警戒感?を抱いていたようだ。

外国の風物や遺跡見物はいつでも楽しい体験だが、パルテノン神殿など教科書でおなじみの名所から赤いアネモネの咲くオリンピック遺跡や、岩山の麓の松林の中の清浄そのもののデルフォイのアポロン神殿( その神託で知られる )など楽しさは格別だった。しかしデルフォイに、ここが世界の中心だとされる直径1メートルほどの石の球体があり、「汝自身を知れ」との銘文が刻まれて(書かれて?)いた。ガイドはこれはソクラテスの有名な言葉ですと紹介した。その通りなのだが、私は偶々何かの本でソクラテスは先哲の言葉を紹介したのだと記憶していたのでそう言ったらガイドはキッとなり、ギリシャ人ガイド(若い女性アルバイト)に確かめてソクラテスに間違いないとむきになって反論した(実際はタレスら6人の先哲の誰かの言葉。ギリシア人だから必ず正しくはない!)。

それ以来ガイドはますますよそよそしくなった。メテオラの岩山の上の修道院は現在では岩を刻んだ階段で登るが、、どうしてこんなところにと誰もが驚く場所にある。ガイドが皆さんこの岩壁を当時どういう方法で登れるようにしたかと質問した。岩に穴を穿ち木片を差し込んで足場としたという答えを期待していると感じたが(正解もそう)わざと「よじ登った」と答え、またまた彼女をキッとさせた。それも今は楽しい思い出である( 私には! 彼女もそうだとは言わない )。

アテネを去る晩は元教え子を食事に招き(招かれ?)歓談した(ガイドも招いたが断られた!)。ギリシア旅行の唯一の不満は日本からの直行便がなく、ロンドン空港で行きも帰りも5時間ぐらい待たされること。彼女によるとそれが常態だということだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿