2014年3月3日月曜日

ウクライナ問題に厳正中立を

ロシアがウクライナ内の自国権益の擁護に強い態度で臨み、米国やEU諸国との対立が激しくなってきた。間もなく我が国も態度表明を迫られるだろうが、日本はどちらの側とも距離を置き、厳正中立を保つべきである。

西側大国はウクライナの現政権支持のためロシアでの首脳会談(G8)への欠席を示唆しており、やがては会議のボイコットや対ロ経済制裁へと進むだろう。しかし、自国の死活的利害がかかっている(と信ずる)ロシアがその程度の脅威に屈する筈も無く、死活的利害が無い西側大国では、いつかウクライナ支援の熱意も低下するだろう。

冷静に考えれば、ヤヌコビッチ大統領との妥協案を一夜で覆した現ウクライナ指導部を過激ナショナリストに抵抗できない無力な人たちとロシアが見なすのは一理ある。ましてロシア系住民が多数を占めるクリミア半島で自由な住民投票が実施されれば、ロシア支持者が勝利する可能性は否定できない。そうした場合、ウクライナ領土の一体性を唱えても説得力に乏しい。そもそも、セルビアからのコソボの分離を助けた西側大国が、住民の自決願望に反対しても大義はない。大義の無い連合に日本は加わるべきだろうか。

追伸。上記の文章を朝日新聞の「声」欄に投書した後、読んだ夕刊によれば、日本はG7の一員としてロシア非難声明に加わったとのこと。日本だけ加わらないことは困難だったろうが、安倍首相の談話は「平和的解決」に力点を置いており、評価出来る。今後とも是非その方針に沿って行動して欲しい。

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