2025年7月28日月曜日

 これが「山里の宿」?

  現在も存在している筈だが(最後に利用したのは2022年7月 奥多摩の秋川渓谷の宿)、 全国の古い温泉宿200軒ほどが加盟する「日本秘湯を守る会」がある。同会加盟の宿に宿泊し、同会発行のスタンプ帳に十軒のスタンプをもらうとどの宿でも次の一泊が無料となる。しかし三年間に10泊はかなり厳しく、結局無料宿泊できたのは2枚目が満了してだった。

 昨日のNHKのBS放送に「山里の宿」と題する番組があり、題名に惹かれて期待して見た。京都の鞍馬のさらに奥の「花背」というところの茅葺きの宿で、  食器の収納庫が20畳とのこと。徹底して地元の山野草中心の食事を提供。  記憶に誤りが無ければ肉食は谷川で獲れる小さな「アジアどじょう」10匹ぐらい。しかし四季の山菜へのこだわりはすごく、直径が5ミリにも満たない野生の山イチゴのトゲをピンセットで除いて調理する。などなど。

 結局、私の予想とは正反対の最高級の山の宿だった。宿泊料金が気になったが番組は一切触れず。それを気にする私とは無縁の宿だった。京都の文化の底深さを徹底的に知らしめる?番組だった。

2025年7月26日土曜日

 フランスのパレスチナ国家承認は快挙

  G7諸国で初めてフランスのマクロン大統領がパレスチナを国家として承認するという。快挙ではなかろうか。米国やイスラエルが何と言おうとドイツや英国を中心にヨーロッパ諸国は団結してフランス政府の決断を支持してほしい。

 現在のパレスチナはPLO(パレスチナ解放機構)の流れを汲む「自治政府」とガザを支配下に置くハマスが実質的に国土を二分して支配しているようだ。前者に関しては内部の腐敗を指摘する声も絶えないようだが、国際社会がアラブ人とユダヤ人の二国家共存をめざす以上、自治政府支援以外に方法があるとは思えない。パレスチナの子供たちが食糧不足で痩せ細っている現在、残りのユダヤ人の人質の解放に応じない冷酷極まるハマスに国土支配の資格があるとは思えない。我が国も間違っても米国やイスラエルを支持してはならない。

 訂正 前回の本欄で参政党の「日本ファースト」を「日本人ファースト」に訂正します。悪しからず。

2025年7月21日月曜日

 メディアの言う「自公過半数割れ」は本当か?

  長かった選挙運動期間も終わり、一応の結果が示された。 メディアでは自公の過半数割れが大きく報道されている。私とても多年政権交代を願ってきたが、「自公大敗」「自民過半数割れ」(朝日新聞の朝刊と午後の特別版の大見出し)にはとてもではないが同意できない。 

   これ迄の国会議員選挙でも似たような状況は生じたが、選挙後に自民党は「無所属」の当選者(実は自民党の公認を得られなかった人たち) の入党を認めて安泰だった。今回も参議院の与野党差はわずか2名。13名の無所属当選者の動向次第で自公の過半数も大いにありうる。しかしそれ以上に注目する必要があるのは参政党(14名)や保守(2名)の動きだろう。「日本ファースト」を公言する前者は自民党の補助勢力ともなるだろう。

 日本人なら声に出さなくとも「日本ファースト」の主張に動かされやすい。しかし、多くの職場が今や外国人労働者抜きでは動かない時代である。東アジア(東南アジアを含む)との人的交流は不可避。  もはや「日本ファースト」を叫ぶ時代ではない。

2025年7月19日土曜日

 紙資源の浪費

  今朝起きて郵便箱内の新聞(一紙のみ)を手にしたらずしりと重い。これは重量の新記録か?と料理用のはかりで調べたら、挿入広告ビラを含めて450グラム。 過去2回の最大重量時と同じだった。

 新聞紙上の商品広告など、最近は1商品で1ページ全面は普通で、両面見開き2ページも珍しくは無くなった。新聞社も私企業である以上、 広告収入は不可欠だし、多ければ多いほどよいだろう。しかし、その一方で新聞は地球温暖化の危険を声高に訴えている。

 私は国土の大半が森林に覆われている日本なら木材を紙資源として利用することは大きな問題ではないと考えていた。ところが半年ぐらい前だろうか、新聞で我が国が北欧の木材を輸入していると読んで驚いた。最近の船舶の大型化で重量当たりの輸送費は低下しているのだろうが、それにしてもヨーロッパから日本まで地球を半周するための燃料の重油の消費量は少ないとも思えない。自社の紙面の地球温暖化への警告は何なのか。

2025年7月16日水曜日

120年後になぜ?

  今朝の『朝日』によれば、フランスのマクロン大統領は隣国ドイツのためにスパイを務めたとされた故アルフレッド・ドレフュース陸軍大尉が120年前に無罪放免された日を国家記念日と決めた。 

 ヨーロッパにおけるユダヤ人受難の象徴ともなった「ドレフュース事件」を詳述する余裕はないが、他国のためスパイを務めたと軍事法廷で判定され終身刑となったドレフュースは南米の仏領ギアナ(の沖の「悪魔島」)に送られ、10年後に無罪放免された。

 今回のドレフュース釈放を国家記念日とする決定には裏もありそうだ。植民地支配国だった関係からフランスは大量のイスラム教徒の移民を抱え、彼らによるユダヤ教の教会(シナゴーグ)放火事件などもあり、将来を不安視して米大陸などに移住するユダヤ系市民が新聞ダネになったことがある。何しろイスラム教徒は産児制限は許されないので、百年千年先にフランスで同教徒が多数派となる可能性は完全否定はできない。ドレフュース大尉の釈放日を国家記念日とあらためて決めることはユダヤ系フランス人に安心感を与えることは事実だろう。それとも考え過ぎだろうか?

2025年7月13日日曜日

 植物音痴?

  我が家ではここ3年ほどゴーヤーを自作している。軒下から地面まで粗い網を設置して蔓を絡ませるのだが、以前には気にならなかった蔓の成長速度だが、今年は1日で50センチも伸びるのに驚いた。私の無知と言えばそれまでだが............。

 ところがご近所さんの庭のヤマボウシの木(ハナミズキに似た白い花をつける)のタネが飛んできて1メートルほどの高さに育っていたのだが、今夏は半年足らずで3メートルほどに急成長しており、切るべきか、放置すべきか迷った。幹自身は3センチほどと細いので、いつでも切れると判断して見守ることにした。 もっとも竹ならば筍から一年で数メートルに成長するので驚くことでは無いのかもしれないが。

 それで思い出したのだが、たった一年半だが下町の高校の山岳部の顧問を務めたときの部員3人と彼らが大学生のころ雪の残る八ヶ岳に登ったことがある。その時、1人が桑畑を指さして「あの木は何の木ですか」と聞かれてびっくりしたことがあった。 全国一入学が困難な大学の学生がと驚いたが、下町育ちなら不思議では無いのかもしれない。 思いもかけず彼が病死して20年以上になる........。

2025年7月8日火曜日

 電車のスタイルの改悪?

 私は自分の美的感覚に特別の自信はない。しかし、歴代の新幹線の先頭車両の鼻先は初代のそれが愛嬌があるだけでなく、最も美しいと思う。それが代替わりごとに美しく無くなってきた。しかし、時速300キロといった高速に対処するためにはそうならざるを得なかったと納得する。
                                           今朝の朝日新聞の社会面に東部東上線、京王電鉄、 大阪メトロ3社の最新の先頭車両の鼻先の写真が掲載されている(すでに目にされた方も少なくないだろう)。 それが揃いも揃って私は美しいと感じない。今回の場合、スピード向上のための変更ではあるまい。事実、 鼻先が長いわけではなくやたら複雑になっただけ。昔のシンプルな前面のスタイルの改悪と感ずるのは私だけか?そう感じるのは老人のノスタルジーの故なのか? かなり頑固に昔のスタイルを守っていたと記憶する関西の私鉄も変わったのだろうか? 誰か知っている人はいないか!

2025年7月6日日曜日

 二つの地震の思い出

  トカラ列島の悪石島を中心に地震が頻発し、メディアが大きく取り上げている。当初は震度5弱と伝えられたが、この震度は先年の東日本大震災の際の東京の震度と同程度であり、私の実感としても不気味ではあった。しかし、伝えられる最近の震度6弱では住民は本当に生きた心地がしないだろう。

 大学入学前の数年間に移り住んだ愛知県で私は1944年12月7日の「東南海地震」と、翌1945年1月13日の「三河湾地震」を体験した(させられた)。 被害としては私の住む知多半島では後者はそれほどではなかったが、本震後の明け方から始まった絶え間ない余震が大変不気味で、その日の夜は家主が本宅と我が家の住む別宅のふすまを動員して作った掘立て小屋に両家ともに一夜を明かした。

 他方、東南海地震の揺れはもっと本格的であり、一般の住居にもかなりの被害をもたらしたが、航空機組立工場の被害は悲劇的だった。本工場の被害はそれほどでは無かったようだが、旧紡績工場を改造した分工場は煉瓦建築の上、半製品の飛行機を移動させるため?工場内部の柱の数を減らしていたため被害は甚大で、学徒動員で働いていた京都の名門の中学生や高等女学校の生徒たちが多数犠牲となった。勝利の見込みのない戦争をあと一年早く終えていたらと思う。

2025年7月5日土曜日

 少子高齢化に悩む日韓両国

  お隣の韓国が日本と同様に、否、日本に倍して少子化と人口の大都市集中に見舞われているとはむろん聞いてはいたが、昨日の『朝日』の朝刊に載った記事も考えさせられた。

 わが国の出生率は確か1.2程度と記憶するが、この数字でも元教師の私からすれば職場の減少や閉鎖が避けられなくなる重大事だ。しかし、韓国の出生率は0.72と聞くと、他人事ながら同国の将来はどうなるのかと考えてしまう。もっとも韓国の場合、北朝鮮との統一が実現すれば問題は一挙に解決するが、金王朝が続く限り夢物語でしかない。

 出生率とともに韓国の人口のソウル首都圏集中は総人口の約半分という信じられない数字と聞く。この点ではわが国の人口の大都市圏集中も小さくない問題だが、両国とも民主国家で人口配置の強制など不可能。対策としてはせいぜい留学生をはじめとする外国人人口の増加が考えられる程度だろう。そのうちどれほどの人たちが永住してくれるだろうか。 

 その昔、古代ローマの栄華はゲルマン人ら「蛮族」の侵入により終わったとされる。時代は変わり、日韓両国ともそれが平和的流入ならばむしろ歓迎すべきだろう。

2025年7月3日木曜日

 「穴は至る所に」?

 今朝の朝日新聞に高名な作家の高村薫氏の『穴は至る所に』と題する1面の大半を占める長い寄稿文が載っている。「「いま」に興じる我ら先見通せぬ残念資質 何もかもガタがきた」との大見出しで始まる論考は、まず年初に発生した八潮市のトラック陥没事故を取り上げる。事故原因として高村氏は「本来は事前の地盤改良や、定期的な地盤調査、さらには下水管の適切な設備更新や技術革新などによって、陥没など滅多に起こらないのが公道のはずである」とする。高村氏はさらに「明確なテーマを欠いたままめぼしいコンテンツを寄せ集めただけの大阪・関西万博がある」や、「使い勝手が悪すぎ」るマイナ保険証らを例に挙げ、「一義的には政治や行政から企業まで、戦後世代が時代の変化についてゆく努力を怠ったということになろう」と批判する。

 正論であり私自身、トラック運転手の救出の遅れに心を痛めたひとりである。しかし、道路や下水道をはじめとするインフラストラクチャーは建設に巨額の費用を要する。急速に拡大する都市化が要求する費用に全て十分に対応することの困難さは容易に想像できる。

 高村氏の厳しさに私がにわかに賛成できないのは私が同氏より20年早く生まれ、国家も個人も懐が無い無いづくしだった時代を覚えているからだろうか。それとも私がひときわ鈍感な人間だからだろうか。