2018年12月27日木曜日

IWC 脱退も一考に値する

日本政府がlWC ( 国際捕鯨委員会 ) からの脱退を決定した。朝刊各紙の論調は必ずしも一致しないが 、反対ないしもっと慎重にという意見が多いようだ ( 『朝日』『東京』。『読売』『産経』は社説での論及なし ) 。悪しき前例として第二次大戦前のわが国の国際連盟脱退がわが国の孤立をもたらしたと指摘されている。

わが国がIWCを脱退すればこれ迄の調査捕鯨との名目での南極海や北西太平洋での捕鯨は不可能になる。残る領海やEEZ ( 排他的経済水域 ) での操業では約600頭と言われる遠洋捕鯨の頭数を補えるか危ぶまれる。損得勘定からすれば脱退は愚かである

それでも私は脱退も一考に値すると考える。第一にわが国の従来の調査捕鯨は調査とは名ばかりの商業捕鯨であり、国際司法裁判所でもわが国の主張は否定されている。そちらの方がよほど日本の名誉を損なう行為だったと言える。第二に遠洋捕鯨とくに南極海での捕鯨は他国の反発を呼びやすかった。南極大陸は各国による領有を禁じられている。それと同じではないが、南極海での一国の自由な漁業は感情的反発を招き易い。私にはシーシェパードによる日本のイルカ漁の妨害は不快そのものだったが、南極海での彼らの妨害行為には否定しきれないものを感じていた。

わが国のIWC脱退への諸外国とりわけ先進国メディアの批判は激しいものになろう。しかし、IWC加盟の89ヶ国の商業捕鯨への賛否は41対48と聞くし、今回の日本の解禁提案には27票の賛成 ( 反対は41、棄権2 )があった。満州国を建国して世界で孤立した挙句の日本の国際連盟脱退とは同一には論じられない。

言い古されたことだが、牛肉や豚肉は食しても良いが鯨は良くないというのは先進国の見解の押し付けであり、身勝手そのものである。わが国は場合によっては商業捕鯨国のノルウェーやアイスランドとともに別組織を作ることも考えられる。ノルウェーやアイスランドを「ならず者国家」と決めつけるシーシェパードにオーストラリアやニュージーランドが同調するなら日本は両国の畜産品を他国のそれで代替すればよい。その時、両国に日本批判を貫く信念があるだろうか。試してみるのも悪くない!

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