2018年9月7日金曜日

思い出の品々

今年の自然災害の多発には異常なものを感ずる。それにつけても、いざという時の自炊道具や飲料水の重要性を再認識させられる。

その想いに促され、昔使用したガスコンロを探して台所の下の収納スペースを30年ぶり?に開けた。日本ではあまり知られなかったようだが、「キャンピング・ファイア」という名のフランス製の極小のガス台とそれに使う小さなガスボンベで、50年前の欧州大陸旅行に際し使用したものである ( 小さいながらバンタイプの車だったので、最小限の煮炊きが車内でも出来た ) 。よく持って帰ったと思うが、あまりに古いのでガス漏れ火災を起こす危険も心配だった。

ところが、物置小屋にでもあるのか台所下にはキャンピング・ファイアはなく、代わりに昔見た内外の映画のパンフレットや、留学中の様々な書類 ( 例えばパリの国家図書館の入館証や、無料で医療を受けられる英国自慢のNHS保険証など ) を容れた箱が出てきた。オールド映画ファンとしては懐かしいパンフレット ( 10冊ほど )だが、もうよれよれの状態で始末するしかない。他にも日航発行の妻子の「北極通過記念証」( 私より半年後に渡英 ) などと共に、留学のため英国の恩師とやりとりした手紙類が数枚あった。日本での研究会で一度言葉を交わしただけの一書生の無理な願いを実現させてくれた今は亡き恩師の恩情に改めて接し、厳粛な気持ちにさせられた。

他にも中学や高校の音楽教科書など捨てきれなくて残ったものが少なくなかったが、今はゴミにしか見えない現状では廃棄を覚悟せざるを得ない。せめて此処に記して別れを告げたい。

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