バカなことを書きたくなったのは「ドキュランドへようこそ! イラン 禁断の扉」( NHK BS 9月7日 )という現在のイランを紹介したフランスのドキュメンタリー番組で、イランの女性に課せられる制約のあまりの厳しさに呆れたからである。イスラム諸国での女性差別といえばサウジアラビアで女性の自動車運転がようやく許されることになったとのニュースが話題となったが、イランも例外ではない ( こちらは自転車!)。女性は家を一歩出ればスカーフ着用が義務であり( 外国人も ) 、レストランや職場などで家族以外の男女が同席することは基本的に許されていない。スポーツは観戦も男女は分離される。宗教警察 ( 自発的告発者?)が違反を摘発する。飲酒は男性も御法度。
しかしイランはサウジアラビアと異なり古代ペルシャ以来の文明を誇る。欧米の事情を知る都会の若者たちは酒を密造し、女性は自宅ではヴェールを脱ぎ外国モードの衣服を楽しむ。ブタと同様に犬は飼ってはならないが、郊外には密かに犬を散歩させられる公園がある。上流階級の行くスキー場では欧米並みの自由がある。しかし、原則禁止である以上、運悪く摘発されれば笞打ち80回から死刑までの罰を免れない。死刑数は中国と世界一を競う ( 2016年は900人とか )。人口9000万人なら比率は中国の10倍を超すのでは?
私は他国や海外の人権団体などが、たとえ人権に関しても安易に干渉するのには賛成しない。しかし外国に住んでも宗教にもとずく習慣を厳守するという人たちを歓迎する気にはなれない。異文化との共生を説く人に反対はしないが、相互主義は譲れない原則ではなかろうか。
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