2018年6月6日水曜日

森友問題の深層?

このところ新聞各紙とも財務省関係者の処分発表のニュースで紙面はあふれんばかり。すこし前には森友問題関係者への検察の起訴断念の報道があった。各紙とも基本的論調は事件への政権や官僚の関与批判で一致しているが、細部には違いもあった。

森友問題は大別して国有財産の不当価格での払い下げ疑惑と、官僚による公文書の隠蔽や書き換えの二つだろう。後者については隠蔽や書き換えが安倍首相への官僚の忖度や迎合に起因することは明らかになった。 政治家や官僚の責任の取り方が不十分だと考える人が多数なのは理解できる。

しかし前者に関しては、不当な払い下げ価格への政権や財務官僚の関与を犯罪として立件しなかった検察の判断の是非が未解決であり、検察審査会にはぜひ精査してもらいたい。大半のメディアが首相夫人の関与が決定を左右したように伝えるが、夫人の秘書の照会に対し近畿財務局の担当者は二回にわたり特別扱いの対象にはできないと回答している ( 6月4日の『毎日』の「風知草」)。それに対し当初挙げられた数人の与党政治家の照会 ( という名の圧力) がその後軽視されてきたのはどういうことだろうか。

森友学園への国有地払い下げは当初 ( 2013年夏 ) は「売却が難しい土地を担当者の創意工夫によって契約に持ち込んだ優れた取引」として表彰される可能性のある「優良業績」と見られていた ( 6月3日の同紙「深層 森友」)。ところが、学園側の「軟弱地盤」や「交渉長期化による損害」との言いがかりとしか評しようの無い「落ち度」指摘に迫られた。その際、「担当者をさらに苦しめたのが........国会議員や秘書からの照会の電話」だった。その意味では「最大の焦点は依然未解明」という ( 同 ) 。安倍首相と夫人の軽率さは目を覆うばかりだが、メディアのセンセーショナリズムが隠れた犯人たちへの追求を鈍らせないよう願いたい。


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