同書は一面ではプロヴァンス賛歌でもあったが注意して読めば、人は良いが約束を守ろうとしないズボラな同地の住民への怒りの書でもあるとこのブログに書いたことがある (ような気がする )。同じ気質は南欧気質と呼んで良いだろう。1970年代、イタリア政府は発展の遅れた南イタリアの経済発展のためミラノの名門企業アルファロメオの工場をナポリ近郊に作った。天才ジウジアーロのデザインになる小型車「アルファスッド」 ( スッドは南の意 ) はいっとき私も持ちたいと思ったが、低品質のため人気は先細りとなった。労働争議も一因らしいが、自動車のような高度技術の商品の組み立てはやはり南イタリア人には向かなかったようだ。
日本の某一流企業は英国での自社工場だけでなく、南イタリアに合弁工場を持ち、ロンドン在住の邦人の現地会長はナポリに毎月出張していた。その後帰国し副社長になった同氏は、ナポリの工場を完全自社化するという社長の方針に反対して顧問という名誉職に追いやられた。同社の海外部門を無から創り上げたと言って良い同氏は南イタリア人気質にさんざん苦労していたのではないか。あくまで私の想像だが、それを知らない社長が歯がゆくてつい強い言葉で主張したのではないか。
彼は中学生の頃の草野球仲間であり、いわば竹馬の友である。最近は万全の健康体ではない彼の回復を祈っている。
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