2018年1月19日金曜日

韓国国民のウリ 意識

文在寅政権のもと、韓国と北朝鮮の交渉が後者の冬季オリンピック参加問題をきっかけに進展し、その内容はオリンピックに限られなくなりつつある。

今朝の朝日新聞の第3面と第11面に、脱北した北朝鮮幹部が持ち出した内部資料にもとずく牧野愛博特派員の「韓国を利用し   米引きずり出せ   北朝鮮、幹部らに指示」( 3面 )、「北朝鮮   挑発姿勢崩さず   幹部らに『対話、幻想抱くな』」( 11面 )との見出しの記事が載っている。それによれば「北朝鮮が今月、南北関係改善を利用して米国を対話に応じさせさせるよう幹部らに指示した......核武装を維持し、米韓同盟に亀裂を入れ、韓国を警戒する北朝鮮の最近の戦略が浮き彫りになった」「米国を対話に引きずりだすため、南朝鮮を利用すべきだ。対話で主導権を握れば、米韓にくさびを打ち込める」(  3面 )、「最も完全な統一は武力統一だと語った金日成国家主席と金正日総書記の遺言を忘れてはならない」( 11面 ) と資料が引用されている( 他紙にはこの資料の記事はない ) 。

他方、おなじ3面には「平昌   統一旗で合同入場   韓国「反対」上回る」との見出しで、最近の韓国の世論調査では統一旗を掲げた入場への支持は40.5%、国旗派49.4%。 女子アイスホッケー合同チームについての賛否は賛成44.1%、反対42.6%と報じている。

文政権の施策に韓国で反対が上回るとの見出しにもかかわらず、私には未だに韓国の世論は賛否半ばかとの印象が強い。韓国でどの程度上記の資料が知られているかは分からない ( わが国でも他紙には記事はない ) 。また、北朝鮮として文政権の融和政策を利用しようとするのはある意味で当然である。しかし、南北離散家族の再会の願いに応えない金王朝に対する期待を未だに失わない韓国国民のウリ ( 同胞 ) 意識の強さには驚く他ない。韓国では「漁業戦闘」に駆り出された北朝鮮の木造船の悲惨なニュースは紹介されていないのだろうか?


P.S.    昨日の読売新聞に、「古今おちこち」との磯田道史氏 ( 「西郷どん」の時代考証をしている ) のコラムは西郷のスケールの大きさを説く一方、「だが、一方では西郷は一度「謀略」を始めると、暗殺、口封じ、欺瞞なんでもやった。恐ろしく暗い闇を抱えた男でもあった」「ただ『薩長史観』のドラマでないことだけは言っておきたい」と宣言している。果たしてどうか?

0 件のコメント:

コメントを投稿