ルーブル美術館はロンドンの大英博物館やマドリードのプラド美術館とともにヨーロッパの三大美術館と言われたりもするが、収蔵品の豊かさではトップではないか。従来からの古代オリエントの遺物もさることながら、最近、イスラム美術の展示スペースを新設したそうで、数百万人と言われる国内のイスラム人口に対応するためだろう。じじつ、イスラム教徒の児童らしい一群も画面に映っていた。
ヨーロッパの博物館には古代ギリシャの美術品や古代オリエントの文物など、無償ないしそれに近い形で入手した収蔵品も多く、現在、各国から返還を求められているものもあると聞く。もっともな要求ではあり、世界の人々に見てもらうためには交通便利なヨーロッパの施設が妥当とのヨーロッパ側の主張は身勝手とも感じてきたが、ISによるアッシリア遺物やパルミラ遺跡の破壊やイラン戦争の際の美術品の略奪などの映像を見るとヨーロッパ側の主張も一概に否定できない。何しろ世界にひとつだけのもの、人類の宝なのだから。
1960年代のパリでは日本料理店は五本の指で数える程しかなく ( 最高級の店は知らない ) 、ルーブル美術館の入口近くの大阪屋 ( たしか )は1ヶ月近い自炊生活に疲れた私も二、三度立ち寄った。あるとき相席した日本人男性はアルジェリアの奥地で石油?開発に従事しているとかで、現地では水は危険なので果物で水分を補充する、パリに出るのが最大の息抜きだと語った。パリの不自由な生活から早く離れたいと願っていた私は密かに恥じ入るほかなかった。
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