2017年1月11日水曜日

『ビリギャル』と『海街diary』

今年の一月上旬はいやに新聞休日が多かったので ( 来年からも?)、溜まって困っていた録画済みの映画から比較的新しい表題の二作品を見た。

『ビリギャル』は、偏差値30の遊び好きの女子高生が特別指導が売り物の塾の講師に励まされて、「私大の雄の慶應義塾大学」への現役入学を果たすというストーリーはご存知の人も多いだろう。女子高生を演ずる有村架純は実は20歳?だそうだが、高校生役に違和感は全くなかったし、ときにはホロリとする場面もあって娯楽作品としては良く出来ていた。しかし、主人公の変化を強調するために当初は金髪に派手な服装、カラオケびたりと受け狙いが目立った。その程度なら良いが、高校生の「スポーツ根性もの」など ( 『スイングガールズ』はスポーツものではないが ) 、生徒の変貌ぶりを示すため、わざと当初はむやみに汚い言葉を使わせたりするのは感じやすい少年少女への影響を考えるとどうかと思う。

『海街diary』は日本アカデミー賞最優秀賞作品賞など各種の賞を総なめだそうで、性格の異なる三姉妹が、出奔した父親がその地で産ませた妹を引き取り、しだいに新しい家族を形成する過程を描いている。大きな事件もなく淡々と話が進むさまは小津安二郎の作品を私に連想させた。舞台が鎌倉だったことも影響しているかもしれない。海外の映画祭では入賞できなかったらしいが、小津作品が海外で高い評価をかちとるまで半世紀近くかかったことを考えあわせると止むを得ないかもしれない。何より原作が漫画作品とは...........。日常生活を淡々と描くまで漫画が進化していたとは当方の認識不足だった!

今朝の新聞に2016年作品の『キネマ旬報』選のベストテンが発表されているが、人気最高の『君の名は』は入っていない。批評家たちと映画ファンの作品評価が違うことは何ら驚くに値しないが、これほど違うとは..........。よく理解出来なかった作品でも自分が見たものが評価されないのは釈然としない!

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