2016年5月22日日曜日

「デルフト眺望」

昨夜のテレビ東京の「美の巨人」でフェルメールの「デルフトの眺望」を紹介していた。フェルメールは近年わが国でも人気の画家だが、作品群はほとんどが室内の人物画であり風景画は稀だという。「静謐」という言葉がぴったりの画風のフェルメールは自画像を一枚も残さず、その生活圏も洗礼を受けた新教会と死後埋葬された旧教会を含む半径500米以内という。それがまた謎めいていて関心を呼ぶ一因かも知れない。

番組では彼の絵画技法の説明もあったが私に分かるはずもない。私が「デルフトの眺望」に何と無く惹かれたのは画面の三分の一を占める空である。何ということもない青空に雲が浮かんでいるだけなのだが、何故か夏のヨーロッパを旅行していて車窓に見た雲を強く想起させた。今回初めて下三分の一の市街をゆっくり見たが、高層建築は教会だけという点は現在も変わらなかった。想像だが、フェルメールの絵が高層ビルの建設を許さなかったのか? そう思いたくなる珠玉のような町で、訪れる機会を逸したのが惜しまれる。

「美の巨人」は毎回一つの絵とその背景を丁寧に紹介しており好きな番組である。音声担当は小林薫。私の特別に好きな俳優ではないが、「美の巨人」で彼の音声が流れてくるとわくわくドキドキ、この人しかないと思えるのが不思議である。番組の最後に流れてきたポール・モーリアの「オリーブの首飾り」?が最近他の曲に変更されたのが残念である。せめて小林薫にはいつまでも音声を担当して欲しい。むろん番組そのものも。スポンサーのキリンビールさん頼みます!


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